推定IQ70前後の「バカ」と呼ばれた母親

9月のお彼岸に母親が死んだ。母親が死んだのに正直ホッとして、悲しくて泣くことはなかった。母親らしい事は何もしてもらえず、幼い頃に母親に頼ること事を諦めた筆者。現在2人の子を持った筆者が母親に対して思った「やっぱりバカだったんだなぁ」というエピソードを綴っていきたいと思います。

遠足のお弁当が作れない

遠足と言えばお弁当。

クラスの皆と教室を出て学校ではない違うところへいくのも楽しくてワクワクしますが、みんなで食べるお弁当も楽しいですよね。

 

遠足は楽しみだったけど、お昼のお弁当の時間は苦痛でした。

 

 

 

小学一年生の初めての遠足

初めてのお弁当

 

とっても楽しみにしていました。

 

前の日にお弁当のおかずを母親と近所の商店に買いに行き、

私がリクエストしたミートボール(今もあるあの有名な暖めるだけのやつ)を買ってもらい、明日の遠足が楽しみでウキウキしていました。

 

 

そして遠足の日

 

(うちにはに誰かから貰ったお古の洋服が入った段ボールが押し入れにあって、

そこから自分の着るものとか使うものを探して選んでいた)

 

そこから、紐で口をすぼめるタイプの、背負うところが紐の青いリュックサックを引っ張っり出してきて、お弁当を入れてウキウキで出発した。

 

 

 

 

そしてお楽しみのお弁当。

 

お弁当箱に敷き詰められたご飯の上に10個のミートボール。

いつもは10個入りのミートボールを兄弟3人で分けるから3個しかたべられないのに、10個も入ってる。

おとよさん、今日は遠足だから10個も入れてくれたんだと。

嬉しい気持ちでウキウキで食べようとしたら…。

他の子はどんなお弁当なのか気にしつつ食べようとしたら…。

 

 

 

私のお弁当を見た周りの子達や担任の先生が、

私のことをかわいそうな目で見ている。

 

 

…えっ…。

 

何?

何で?

 

…あっ

…他の子のお弁当…

…きれい

 

綺麗な形の卵焼き

ウインナーはタコさんになってる

色んな種類のおかずかがきれいに並べられてる

 

 

私のお弁当…

茶色…。

偏ってるから半分は空洞だし…。

なんか汚い…。

残飯みたい……。

 

 

 

…そして

先生を始め他の子も自分のお弁当のおかずを一品ずつ私に分けてくれました。

 

 

 

このお弁当って、恥ずかしいんだ…。

 

 

……帰ってきて

 

おとよさんに言いました。

「他の子のお弁当、卵焼きとか入ってておかずいっぱい入っててきれいだったよ。私のは何でミートボールだけだったの?」

 

……そんなのしらねーよっ…。

 

「次はちゃんとしたお弁当つくってね」

 

……分かったよ…。

 

 

 

 

 

次の遠足か何かのお弁当の時

前回の事があったので、何度も確認してちゃんとしたお弁当を作るよう言いました。

 

そしてお昼のお弁当の時間

恐る恐るお弁当の蓋をあけると……。

 

 

敷き詰められたご飯の上に小さく切ったハンバーグが並べられていました。

もちろんハンバーグは手作りではなくて暖めるだけの有名なミートボールのハンバーグバージョンの奴です。

 

 

またか……。

……あんなに言ったのに。

……。

……。

 

 

 

どうして?

何でわかってくれないんだろう?

 

 

家にかえってからおとよさんを怒りました。

何でちゃんとしたお弁当つくってくれないの?と。

 

……しらねーよっ

……よそはよそだ

……うるせーよっ

 

泣いて怒りました。

分かってくれません。

話になりません。

 

 

小学一年生でおとよさんには言ってもわからないと悟りました。

 

 

 

次から、おとよさんに頼むのは辞めようと思いました。

お弁当は自分で作りました。

 

低学年だから

他所のお母さんの用に綺麗には作れていなかったと思います。

 

でもおとよさんよりは彩りのあるましなお弁当だったと思います。

 

 

美味しそうなきれいなお弁当ではなかったと思います。

卵焼きとウインナーと野菜の入った彩りのあるお弁当。

かわいそうな目を向けられないお弁当。

 

頑張って作り、母親が作ってくれたことにして持っていきました。

 

 

今私にはちょうど小学一年生の子がいる。

 

こんな幼いのにお弁当で恥ずかしい思いをさせた。

子供が嫌だったといってきたのに

その気持ちを受け止めず、知らないと言い放った。

低学年から自分でお弁当を作らせる。

 

 

こんなこと絶対させないし、

もしお弁当が気にくわないと言われれば、頑張って作るようにする。

 

普通は誰しもそうすると思う。

 

 

でも、おとよさんの場合

 

作らない

しない

やらない

 

は意地悪でしたのではない。

自分の子供が憎くてしたんじゃない。

 

おとよさんなりの愛情は感じていた。

私の好きなもの入れてくれたから。

 

 

 

今なら分かる

 

出来なかったんだと思う

出来ないから、しないし、

子供がどういう気持ちかなんか考えて行動するなんて出来ないから。

そこまで考える能力がない。

わからないから

「しらねーよっ」

なんだと思う。

 

おとよさんはおとよさんなりに一生懸命やっていた。

だから

「ネグレクト」

とは少し違うのかな?

 

わからないから。

 

 

 

芸術センスのない私ですが

キャラ弁なんてほんとっ無理、作れませんが

娘の幼稚園のお弁当頑張って作ってます。

今は便利な世の中でいろんなグッズが売っています。

 

帰ってくると

「お弁当おいしかったよ、全部食べたよ」と言って、空っぽになったお弁当を見せてくれます。

こんな可愛い事してくれたら、センスなくても頑張りますよね。

 

ホントおとよさんって・・・。