推定IQ70前後の「バカ」と呼ばれた母親

9月のお彼岸に母親が死んだ。母親が死んだのに正直ホッとして、悲しくて泣くことはなかった。母親らしい事は何もしてもらえず、幼い頃に母親に頼ること事を諦めた筆者。現在2人の子を持った筆者が母親に対して思った「やっぱりバカだったんだなぁ」というエピソードを綴っていきたいと思います。

認知症が進んでるというが・・・ただの知能が低いだけ

おとよさんの晩年の透析クリニックでのことです。

何かにつけ「認知症が進んでる」って・・・。
電話連絡をしていただきました・・・。


ある時、通院透析をしているクリニックから、私の携帯に連絡がありました。
仕事中で電話に出れず。
着信を見て、おとよさんに何かあったのか?
心配になり、急いで折り返しかけ直しました。

「医療費の支払いと薬局での薬代の支払いが出来ていません」

言いにくそうに伝えてくれたのですが。
どのくらい払ってないか確認したところ、半年以上未払いとのこと。

直ぐに次の仕事の休みの時に支払いに行きました。
十数万の請求…。

ていうか、
連絡くれれば支払いしますから、もっと早い段階で言って欲しかったです。
こんなに溜め込む前に…。


領収書の申請は父親と母親にお願いし、お金だけ支払って、私は実家でゆっくりする間もなく、トンボ返りで帰りました。

そして、支払ったお金は申請して還付されるのですが、私に戻ってくることはありませんでした。
おとよさん、何に使ったのでしょうね?




この透析クリニックですが、住んでいる同じ町内にあり、スタッフも地元の人が多く、私の兄弟の同級生が働いたりしていました。

おとよさん、ちょっとした有名人なので。

地元の商店街を歩いていると、誰かが
「あっチュウキ(差別用語、バカとか知能が低いという事)が来た」と言っていて。
振り返ると、おとよさんが自転車に乗って通り抜けて行って、おとよさんの事だったとか。

チュウキとして、名が通っていました。


そんな有名人のおとよさんなんで、クリニックでもおとよさんを知っていたのでしょうね。
馬鹿にされて、対応されていました。

お金の支払いの時に、こちらは普段からお世話になっているので、私は平謝りでいきました。

「こんなに支払いしてないなんて知らなくて、すいません」
「いつもお世話になっています」
「ご迷惑おかけしてます」
「何かあったらいつでも連絡ください」
もちろん菓子折りも持って行って、低姿勢でいきました。

しかし、何故か?半笑いで対応され…。

私、物心ついたときから、こういう対応されてきたから、分かるんです。
仕事の営業スマイルでもない、愛想笑いでもない、ただ馬鹿にされた見下された笑い。
地元を出て行った私は、一人間として対応されるようになっていたので、久しぶりの扱われ方でした。


そして、ここぞとばかりにおとよさんの事を言われました。
要はクレームですね。

食事管理、体重管理もできず、透析中に具合が悪くなることも多く、治療にも協力的ではないそうです。
スタッフの好き嫌いもあって、たまに文句を言ったりするそうです。
普段のおとよさんの行動、言動を羅列し、困っていると。
お風呂に入ってないのか、匂います、と。
あげくのはてにはボケてきていると。

遠回しにこのクリニックから出て行って欲しいと思っているんだと悟りました。


娘だからわかりますが、
ボケてきたんじゃなくて、もともとです。
バカなだけです。

自己管理が出来ていたら透析になってないし。
おとよさんはバカだけど、バカにされるのを感じるととことんその人の事を嫌います。おそらくはおとよさんの事をバカにしたんでしょうね。
そりゃあ、文句も言われます。
お風呂だって入らないのは今に始まったことではありません。
娘の私だって、おとよさんがお風呂に入っている記憶があまりないですから。

otoyosan.hatenablog.com


おとよさんは言っても分からないし、知能が低いから理解してもらえません。
おとよさんをコントロールする事は出来ません。
話を聞いた限り、ボケてはいないんですけど・・・。
それをクリニックの看護師に伝えると
「親って、子供が久しぶりに帰ってくるときだけ、しゃんとしたりするんですよ」と。
おとよさんの行動、言動をどううしても認知症に結び付けてきます・・・。

それに、家の近くに透析クリニックはそこしかないので、他にいくのなら通えなくなるので、引っ越ししないといけなくなります。
このクリニックにお世話になるしかないのですが。引っ越し込みで話を振ってきます。
設備の整っているところが良いだの、私の家の側がいいだの。
なので、話をきくだけ聞いて
「本人にはよーく言っておきます、お世話かけます」とだけ言って、空気の読めない人を演じて帰りました。


その後もことある毎に「認知症がが進んできてます。うちでみるのは限界です、そろそろ他の施設の検討を……」の追い出し連絡はちょいちょいありました。

馬鹿の相手はしたくない
関わりたくない
面倒くさい
排除しようしている意志を感じ

私、分かってしまうので……

敢えての空気読めない天然さんで「すいませーん」で通しました。


仕事だろ、仕事しろって、思ってね。

近隣の市町村の透析患者を受け入れているクリニックで近くにないのを分かっての発言です。
信じられません。

この時はおとよさんちゃんと歩いてたし、買い物もいってたし、まだ50代後半だし。
そもそも、おとよさんがバカなの知ってるだろと。
チュウキで有名だっただろと。

おとよさんと話をしていても、昔と何ら変わりません。
ボケてはいません。
馬鹿なだけ。
このおとよさんのこの年で、生活レベルで施設なんて入れないわ


クリニックには面倒みて戴いたので感謝していますが。
いくら、バカでも人間としての尊厳があります。

分かりますよ。
くさいし、話は通じないし、面倒な患者でしょう。
何度も言いますが、これは仕事ですから。
こういうバカを相手にするのも仕事なんで・・・。



世間一般的にはおとよさんの行動って、理解しがたいんだなぁ。
そんな人に育てられたんだなぁ。
悲しくなってきました。

なんの問題のない普通の感覚の人間は底辺にいる人間のことなんで理解出来ないですよね。